舞台は麦からできた食品たちの住むところです。
たとえばマカロニ、多くの形や色の種類が存在していて、その中ですら反目しあっています。形が違う、色が違う。そんな些細なことを理由にです。
でも、そこにマカロニ以外のパスタが現れると、今までの対立はすぐに忘れて、一致団結して対抗します。
　

さらに、肉製品などという、麦からできていない食品が現れると、それに対して麦製品全体で一致団結して対抗します。
それまで、形、色、種類といった、自分で引いた線を恥ずかしげも無く、軽やかに飛び越えての一致団結です。

そこへ偶然、まったく無個性なウィンナーが現れました。
　

彼は、生まれてからずっと兄弟と同じ袋に入っていたので違う形の仲間を見たことがなく、あまりにそっくりなので、自分達でも見分けが付かずナンバープレートを首から提げています。
　

名前という概念もないのですが、区別するためにその番号で呼ばれていて、麦の世界に現れたのは、10本入りウィンナーの9番目。ナインと呼ばれているウィンナーです。
　

さて、ナインはどうなるでしょう。
　

投獄されたり、お城で衛兵の制止を振り切って、救助活動を行ったり。波乱万丈です。

麦の世界に受け入れられたナインは、お土産として個性を持ち帰ります。
それによって、各ウィンナーを区別するための番号は不要になり、番号札は捨てられてしまうのですが．．．。
　

これまで、各ウィンナーに見た目の違いがないナインの世界では、些細な違いでの対立はありませんでしたが、個性を手に入れた今後はどうでしょうか